※アサヒグループHDの株主優待についてのページより転載
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株主優待投資の知識 まとめ


日本の多くの企業は自社の株式を保有してくれている株主に対して、お礼の意味合いを込めてサービスや物をプレゼントする制度である株主優待を実施しています。(2017年1月10日時点で1345社)

 

優待を期待して株を保有する投資家の数は増えているので、それを考慮して優待を新たに新設する企業も数多く存在しています。

 

優待を主な目的に株式を長期で保有しようという投資家を「優待投資家」といいます。この項目では優待投資家を目指したい初心者の方向けに、優待に関する様々な情報をご紹介していきます。

 

優待目的でこれから投資をしていこうという人はまず、このページを熟読していたければと思います。

 

株主優待とは


株主優待制度とは、日本独自の制度のようです。物品などでお礼をする株主優待は日本独自の文化(お世話になっている人にお歳暮やお中元を贈る文化)に紐付いているのではないかと思います。この制度を活用することで企業は株主により長期間株式を保有していてもらおうと考えているのです。

 

その種類は金券、食事券、飲食料、施設利用券、衣料品、文房具、日用品などこれでもかと言う程多岐に渡ります。中には必要な投資金額に対して非常にお得なものもあり、優待目的で株式投資をしている優待投資家さんはたくさんいます。かくいう私も、調べれば調べるほど、知れば知るほど奥が深いこの優待制度の魅力にどっぷりと浸かっております。

 

→筆者が実際にもらった優待の一覧「株主優待を実際もらったらこうだった」記事はこちらから

 

自分が思う、優待株の優れている点は以下の3つです。

  1. 配当+優待で、非常に利回りが高くなる
  2. 暴落時に強い銘柄がある
  3. 意外と少額から投資が可能

配当と優待を合わせて投資金額に対して10%を超える利回りになることがあるのは優待株においてはざらにある話です。

また市場全体の暴落に対して下がりにくい株式があるのも特徴です。

 

おまけに数万円、中には数千円から投資が可能な優待株もあるのも特徴です。

 

またなによりお金のみである配当とは異なりジャンルが豊富でバライエティに富みプレゼント感覚で自宅に届くのもまた魅力です。さっそくジャンル別にどんな優待があるのかを見ていきましょう。

 

優待をもらうために権利取得する


優待を取得するためには、権利確定日に株主名簿に名前が載っている必要があります。

 

確定日は会社によってことなりますが、月末や20日に設定している会社が多いです。ただし、株主名簿に記載されるまでの手続きに3営業日かかってしまうため、権利確定日の3営業日前の日までに株を買っておく必要があります。

 

この「3営業日前の日」のことを、権利付最終日(最終売買日)と言います。

 

権利付最終日さえ超えてしまえば、権利確定日前であっても、株を売却しても優待を取得することが可能です。

 

例えば2015年9月月末の株主を対象に優待を実施する銘柄の場合、9月30日が権利確定日であるため、3営業日前の権利付最終日である25日までに株を買っておけば、次の営業日28日まで株を保有すると優待をもらえます。(夜間取引、PTSを実施している証券会社の場合、25日の夜間取引時に売却してもOKと設定している所もあります。)

 

株を買うタイミングとして、権利付最終日は当日なので遅すぎておすすめはしませんが、ルール的には25日に買っても問題なく優待をもらうことができます。

 

株主優待を取得するためには上記のような株を取得するためのタイミング、「権利付最終日がいつなのか?」を前もってチェックしておくことが必要です。

 

買う前に最低限考慮すべき3つの事項


買う前には何点か考慮しておくべき事項があります。

 

1 その優待が欲しいかどうか

2 利回り

3 業績

 

1 その優待が欲しいかどうか

 

当たり前なように思えますが、意外ともらってから「やっぱ、これいらなかったな、、、」となるケースもあります。せっかくいただくのであれば、本当に欲しいのかとか使うのかどうかを考えてから決めましょう。

 

おすすめの選び方としては、生活用品でいつも使っているものを提供している企業を選ぶか、カタログギフトで選べる優待となっているものを選ぶか、もしくはクオカードのようなどこでも使用できるような優待を選ぶか、です。とにかくなるべく使い勝手の良い優待を選ぶことが大事です。

 

2 利回り

 

利回りは「投資した金額に対するリターン(利益)」のこと。例えば10万円をある企業に投資して、3000円の食事券を年2回もらえる場合には、10万円という投資金額に対する年間リターンは6000円となります。

 

利回りを考慮するなら、6000円を10万円で割り、100をかけて6%という数字を出して考えます。このように割合で考えることで、投資金額もリターンも数字が企業ごとにバラバラでもリターンの比較がしやすくなります。

 

また配当も考慮することで、優待と配当を合わせた実質利回りの計算をする場合も多いです。ではケーススタディをしてみましょう。

 

下記のケースでどの企業が一番利回りが高いでしょうか?(税金は考慮しないものとする)

 

企業名 優待 年間配当 優待取得のための必要投資金額
A社 年1回 4000円分のポイント 2000円 100000円
B社 年2回 1回あたり2500円分の食事券 1000円 120000円
C社 年1回 施設利用券(時価7000円相当) なし 150000円

上記のケースをそれぞれ計算してみると、

 

A社 (4000+2000) ÷ 100000 × 100 =6%

B社 (5000+1000) ÷ 120000 × 100 =5%

C社 (7000+0) ÷ 150000 × 100 = 4.7%

(小数点2位以下四捨五入)

 

となり、A社が最も実質利回りが高いことが分かります。優待内容だけ見るとCが最もお得に思えるかもしれませんが、配当や投資金額を考慮して割合で出すと、最もお得度合の高いものが正確にわかるのです。

 

3 業績

 

業績は企業の通知表のようなものです。損益計算書という形で、四半期ごとに発表されます。また過去の通年の業績や今期や来期の通年の予想はすでに東洋経済によって発表されています(会社四季報という形で)。過去の企業の業績傾向や、予想値、四半期ごとの企業業績の推移によってその企業の活動が順調かどうかを見るのです。業績に関しては、後程、改めて説明いたします。

 

優待ジャンル①食事券・ポイント


おもにレストランなどで使用できるポイントや券などを付与される優待です。人気の優待例としては、アトム(7412)・ダイヤモンドダイニング(3073)・マクドナルド(2702)などがあります。

 

金券のように使えて、投資金額に対してもらえる金額が高めのものが多いのも特長であることから、優待の中で最も人気のあるタイプです。

 

食事券の場合、できるだけもらえる優待券1枚の額面が細かく、利用条件がないものの方が使い勝手が良いです。

 

例えば、もらえる金額が同じでもライドオンエクスプレス(6082)のように、2500円券1枚の会社もあれば、500円券をを複数枚もらえるヴィア・ホールディングス(7918)などのような会社もあります。ランチなどの少額でも使いやすいですし、お釣りをもらえないケースがほとんどである食事券の場合も、細かい金額の券の方がぴったり支払いに充てやすいということです。

 

実際に、アトム(7412)・ダイヤモンドダイニング(3073)などは1円単位でポイントをお金のように使える優待であるため、個人投資家に非常に人気があります。

 

優待ジャンル②金券


金券は、百貨店などで使える券・コンビニなどで使えるクオカード、書店でつかえる図書券などがあります。

 

自社のサービスや製品、地元の特産品など確保するためのルートやシステムが必要ではない(券を買うだけ)せいか、この手のタイプの優待を新設で発表発行する会社は比較的多いです。

 

株主にとっても、近所でサクッと使える使い勝手の良さから人気です。また、見逃せないのは、配当でお金をもらった場合に比べ、25%もお得だということ。なぜなら、お金=配当だと、受け取る分の20%は税金として源泉徴収されて取られてしまうからです。

 

配当は80%しかもらえませんが、金券は100%もらえる。税金が上がり続ける昨今、このポイントは重要かもしれません。

 

優待ジャンル③割引券・割引カード


ショッピングや施設を利用するときに数パーセントほど割引される券や株主カード、というものがあります。たとえばイオン(8267)などは持ち株数に応じて割引率が大きくなることもあり、毎日利用する人であれば年間の割引金額は非常におおきな金額になります。最低単位の100株保有するだけでも、3%返金サービスをしてもらえるため、年間イオンで食料品などを月3万円分、年間36万円買う主婦の方であれば、17万円ちょっとの投資で、10800円得することが可能です。

 

その他、自社グループでの買い物、サービス、飲食の割引券などがあり、何か高額のものを利用する時に大きな力を発揮することがあるため、その会社が優待制度を実施していないか一度チェックするとよいかもしれません。

例えば、高級レストランでも結婚式などを実施しているひらまつ(2764)では、100株保有の株主に、婚礼飲食代・レストラン飲食代10%オフの優待を実施しています。婚礼の飲食代と言えば、例えば60名で90万円位することもザラなので、6万円強の投資で9万円、投資額以上のリターンが得られる計算になります。

 

優待ジャンル④施設利用券


施設をタダで利用できる券をもらえます。(保有株数によって、1回利用券〇枚、など優待内容が段階的に定めされていることが多いです。)

 

たとえば、サンリオピューロランドを運営するサンリオ(8136)、ディズニーランドを運営するオリエンタルランド(4661)、スポーツジムを運営するセントラルスポーツ(4801)やルネサンス(2378)などがあります。

 

施設利用券に、施設内で利用できる割引券やグッズがついていることもあります。(スポーツウエア20%割引など)

 

優待ジャンル⑤食品・飲料


 飲食料をもらえます。その企業で扱う自社製品◯千円分とか、自社では扱ってないが地元の名産品などバラエティーは豊富です。

 

有名どころだと、ビール会社のアサヒグループホールディングス(2502)、2811カゴメ(2811)など。株主限定で作った味のアイテムをもらえたりするところもあります。

 

優待ジャンル⑥カタログギフト


カタログギフトをもらえる優待は投資家から人気があります。

 

カタログギフトと一言で言っても種類が様々で、数品から選択するものから数百点の中から選べるものまで多種多様です。個人的にはこのカタログギフトの優待が最も使い勝手がよく、もらってうれしい優待だと考えています。選べるわくわく感も味わうことができるので、楽しい優待でもあります。

 

代表的なところでは、全国保証(長期保有で、に変更となりました。)、オリックス、TSテック、エクセディ、みちのく銀行、ヤマウラなど多くの企業が取り入れています。

 

優待ジャンル⑦その他(日用品・変わり種など)


その銘柄を持っていると、株主限定の製品がもらえたり、タオルなどの日常品、自社製品の文房具やトイレットペーパー、洗剤に化粧品、ハンカチや衣類などがもらえたりします。

 

株主限定製品で言えば、タカラトミー(7867)は株主限定リカちゃん、サンリオ(8136)の株主限定グッズなど探せば色々とでてきます。

 

いずれにしても買う予定の日用品をもらうのも良いですし、女性なら自分で使える、男性なら彼女や奥さんにプレゼントできる化粧品の優待も人気が高いです。

 

そして、扱っている商品の値段が高いアクセサリーやジュエリーの会社も割りが良いものがあります。

 

またちょっと変わった内容の優待もたくさんあります。例えば、宝くじがもらえたり、社長が自らデザインしたグッズをもらえたりする面白さがあるのも優待の魅力。欲しいかどうかは別(笑)として知っておくと話のネタにもなるかもしれないですね。

 

優待新設・変更・廃止


 

優待を実施している企業は、企業が存続している限りその優待を続けるわけではありません。

 

優待が、良くなる(拡充)場合もありますし、悪くなる(改悪)場合もあります。またこれまで優待を実施していなかった企業が優待を実施し始める(優待新設)場合や、実施していた企業が優待をなくす(優待廃止)場合があります。

 

  1. 優待新設(導入)
  2. 優待拡充
  3. 優待改悪
  4. 優待廃止

通常であれば優待が新設・拡充で株価は上がり、優待が廃止・改悪で株価が下がります。

 

2016年で例を出すと、

 

優待新設(導入)・・・システムリサーチ、アクトコール、ブロードリーフ

優待拡充・・・綿半HD、日伝、まんだらけ

優待改悪・・・ハーバー研究所、ヴィレッジバンガード、ライドオンエクスプレス

優待廃止・・・イーグランド、扶桑化学工業

 

もちろん上記以外の企業もたくさんあります。

 

優待新設・優待廃止に関しては、そのまま文字通りですが、拡充や改悪に関しては内容の変更の仕方がいろいろです。

 

全部変更、一部変更、一部追加、一部廃止、長期保有優遇などがあります。これは個別に調べて知っておく必要があります。

 

特に優待目当てに購入されている企業の場合には優待改悪によって株価が大きく下がるケースがあります。例えばヴィレッジバンガードなどは優待の改悪によって株価が下がった例の典型的なものとなります。

 

また、上記の中でも長期で持つとお得になるよ~という優待内容の追加は、利回りも大きなものが多いのでおさえておくとよいでしょう。(例 2016年に導入されたまんだらけの優待券は100株あたり2000円券だけど、1年持つと5000円券になる など)

 

業績をより踏み込んで知っておこう


最初の方で、優待買う際に最低限、①本当に欲しいか、②利回り、③業績の3つをチェックしておくとよい、とお話ししましたが、業績のところをもうちょっと詳しく説明します。

 

業績をチェックするには具体的には以下を見るようにしましょう。

  1. 年間ベースでの利益推移(1株利益)
  2. 四半期ベースで業績を見る
  3. 通年の業績修正の有無

1 年間ベースでの利益推移(1株利益)

 

企業は年間ベースで利益をだします。利益の種類としては、日本の場合、売上高、営業利益、経常利益、純利益となります。この中で純利益が、企業が様々な収入や支出を計算して最終的にはじき出す利益となります。この純利益を発行されている株式の数で割った値が1株当たり利益(1株利益)となります。

 

1株利益が毎年増加していれば、順調に利益が伸びている状態で好ましい状態といえます。ただ、営業利益は伸びているのに、特別な損失(特損)があるがゆえに、1株利益だけ落ち込んでいる場合もあるので、1株利益が急激に落ち込んでいる都市がある場合には、その原因を見ることも大事になります。

 

また企業は時に、自社株買いを行うことがあり、その際には市場に出回る株式の数が減って、相対的に1株利益が増えることがあります。

 

1株利益は、特別な利益や損失、自社株買いといった企業の株主還元策まで考慮されているので重要な利益となります。

 

2 四半期ベースで業績を見る

 

もし、株主優待株を買ったなら、意識して4半期ベースでの決算も見ることにしましょう。

 

企業は、四半期(3か月に一回)ベースで企業の決算を発表します。3か月に一回の決算を発表することで年間ベースの利益にどれくらい近づいてるのか進捗が出ます。前年比でどれくらいの達成率かも確認することができます。

 

また決算の書類には、その企業は年間の利益を成し遂げるためにどういう活動をおこなっているのか、そして今後企業利益を伸ばすためにどんな事業を展開していこうとしているのかが記載されています。

 

書類を確認していて「お!こんな新しいことを始めるのか。これなら人気がでそうだな。」とか、経営者の新たな計画内容を知って数値では確認できないような定性的な投資判断をしていくことも重要になります。

 

3 通年の業績修正の有無

 

企業は年間ベースでの利益をあらかじめ会社予想として発表していますが、その利益を年度の途中で修正してくることがあります。利益が増えると見積もることを上方修正、減ると見積もることを下方修正といいます。

 

上方修正すると、その後株価が順調に伸びていく可能性が高くなり、下方修正すると株価が停滞する可能性が高くなります。

 

特に、修正を発表したタイミングで株価がどの位置にいるのかが重要で、多くの投資家に買われてPERも割高水準になっているときには下方修正で下落、時に上方修正ですら下落することもあります。一方で、割安水準にある場合には、上方修正で株価が上昇を開始しします。優待銘柄でも、株価が割安で底値圏にあり、利回りの高い優待を導入した場合などにはその後株価の上昇が見込めることがあります。

 

 参考)業績を確認するには

 

業績確認方法にはいろいろとありますが、筆者が使っているのは主に下記。

 

1 ヤフーファイナンス・・・銘柄ページの「業績予報」という項目をクリックすると、業績進捗を視覚化してみることが可能

2 会社四季報&四季報オンライン・・・会社四季報は四半期ごとに発売される分厚い書籍。会社予想なども載せられているので、確認しておくとよいですね。四季報オンラインは四季報のウェブ版。使い方は、「会社四季報の使用法」を参考にしてください

3 適時開示・・・企業の決算発表スケジュールに合わせて、決算を具体的に見ていく。手間はかかりますが、大事。

 

優待株を買う際の注意点


優待株を買う際には注意点があります。それは、権利日の直前には買わないことです。

 

権利日の直前は多くの投資家が、優待目的に株を買いに来ている途中なので、それまでの株の値動きの推移に対して、値上がりしてしまっていることが多いです。

 

そのため、優待株を買う際にはむしろ、権利日を過ぎて値段が下がった後に買う方が良いです。権利日を過ぎると、優待権利落ち分、株価が下がりますが、値段が落ち着くとふたたび株価は上昇をし始めます。

 

そのため、タイミングよく株を仕込むことができると、「値上りによる利益と優待」両方を狙うことができます。もちろん優待をずっともらいたいというのであれば、値上がり益を確定せずにそのまま株を保有し続けても問題ありません。

 

ここで知っておくべきなのは、優待株を選んでほしくなったとしても権利日直前には買わない、ということです。

 

 

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